話題の「ふるさと納税」その仕組みとメリットとは?
少ない自己負担で特産品が受け取れるという話がテレビなどに取り上げられ、注目が集まっています。今回は、このふるさと納税の仕組みとメリット、注意点をご紹介いたします。
ふるさと納税とは
ふるさと納税は、地方の自治体に寄付という形で納税をすると、一定金額までは所得税の還付や住民税の減免を受けられるという仕組みです。つまり、自分が納税する先を選べる、という制度です。そして、寄付をすることで、お米やお肉、魚介、果物、スイーツなどの特産品プレゼントが受け取れるサービスを、全国の自治体が競い合って充実させ始めています。少ない自己負担で特産品が受け取れるという話がテレビなどに取り上げられ、注目が集まっています。
ただ、初めて聞くと仕組みがよく分からないのと、収入や納税額によってお得になる金額が異なるため、体験するのに2の足を踏んでしまうこともあるようです。ということで、ふるさと納税の仕組みとメリット、注意点をご紹介いたします。
ふるさと納税の仕組み
個人が2,000円を超える寄付を行った場合、2,000円を超えた金額のうち、一定額までは、所得税と住民税が還付または減免される制度です。控除を受けるためには、寄付をした領収証明書を受け取って、翌年確定申告することが必要です。2015年から年末調整でも対応できるなど、手続きの簡素化が検討されています。(2014年8月現在)
いくらまでお得に活用できるのか?
一般的な収入の方は、支払っている住民税の約1割相当がお得になる上限となります。たとえば、サラリーマンで住民税を20~30万円払っている方の場合、2~3万円がお得に活用できる上限、というのがザックリした目安となります。納税額が多い人(高額納税者)は、お得になる金額がもっと増えます。
2015年からは住民税の約2割まで上限を上げる方向で検討が進んでいます。
扶養に入っている主婦の場合、納税していませんので、ふるさと納税をしてもお得にはなりません。ご注意を!
どうしてこういう制度があるの?
現在日本では都市部に人口が集中するため、地方の過疎化が問題になっています。地方で生まれた人は、地方の自治体の公共サービスを受けて育ったのに、社会人になると都市部に移住し、都市部の自治体に納税することになります。
この都市部に集中して納められる税金の一部を、地方にうまく還元できれば!
ということで編み出された制度です。
元々、公益法人などに寄付をすると、寄付金のうち一定額が所得控除や税額控除を受けられる「寄付金控除」という仕組みがあります。ふるさと納税もその一種となります。導入されたのは2008年ですが、利用が一気に広がるきっかけのひとつは2011年の東日本大震災でした。ふるさと納税を活用して被災地へ寄付をする人が急増しました。さらに寄付金の御礼としてもらえるプレゼントを自治体が競って充実させ始めたため、2013年頃から人気に火がつきました。
どんな風に活用すればよいの?
もらえるプレゼントからふるさと納税の寄付先を選ぶ、という方法が流行っています。自分の出身自治体でなくても大丈夫です。
ネットショッピング感覚で各自治体の特典を選べるサイトが増加中です。
<ふるさと納税の参考サイト>
ふるさと納税の本当の魅力
お得になるから利用するという形が広がっていますが、ふるさと納税は本来寄付金です。つまり、あなたの意思で特定の地方自治体を応援することができる、というのが奥にある魅力ではないでしょうか。
過疎化が進む市町村と交流し、再興を応援することもできるし、教育、医療、自然環境維持、政治問題など、自分が関心のある事業に資金援助をすることも可能です。ふるさと納税を通して、今までご縁のなかった地域や人との交流が始まり、日本の良さを再発見するきっかけになればよいですね。
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