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我が家も相続対策が必要ですか?

最近、相続の話題がテレビや雑誌でよく取り上げられるようになりました。身内の相続でどんなことが起きるのか、起きる前に準備しておくべきことは何か、もしかしてたくさんの相続税が発生してしまうのではないか、など漠然とした不安を抱えてFPにご相談に来られる方も多いです。今回は普通のご家庭での相続の注意点をご紹介いたします。
ファイナンシャル・プランナー ゆりもと ひろみ
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税金の心配は不要なケースも多いです

 相続税を心配されて相談にいらっしゃる方の約半数は、お話を伺う限り、ほぼ相続税の心配がいらないケースに該当します。というのも、遺された家族が生活できないほど高額の相続税にならないよう、様ざまな特例や制度が用意されているからです。まず、相続税の計算方法について、「基礎控除」という課税が免除される金額が決められていることはご存じでしょうか?たとえば、ご主人が亡くなり相続人が奥さまと子ども1人の場合、相続財産の総額が3,000万円と法定相続人1人につき600万円の合計4,200万円以内であれば、相続税はかかりません。

 他にも代表的な制度としては、遺族が自宅を相続する場合、一定の条件を満たせば土地を8割減で評価してくれる特例(小規模宅地の評価減の特例)や、配偶者が相続する分は1億6千万円以下または法定相続分以内であれば相続税がかからない制度(配偶者の税額軽減制度)といったものがあります。

 

申告期限までの10か月はあっという間

 ただし重要な注意点があります。こうした説明を聞いたり、ネットで知ったりして、「うちは1億6千万円も財産がないから、何もしなくても相続税を払わなくてよいのね」と早合点してしまう人もでてくるかもしれませんが、そんなことはありません。
基礎控除以外の相続税を少なくしてくれる特例は、相続発生から10カ月以内に税務署に相続税の申告をした場合に限り使うことができます。そのため、10カ月以内に遺産の分け方を決め、相続人全員で遺産分割協議書を作成する必要があります。相続が発生してからの10カ月は、あっという間ですので、くれぐれもご注意ください。

 

相続前にぜひ確認を

 また、「財産は基礎控除内に収まるから心配ないわよね」と思った方、そこで安心してはまだ早いかもしれません。別の問題が起きる可能性が残っています。
 司法統計(令和2年度)で、相続でもめて家庭裁判所にもちこまれたケースを財産額別にみてみると、財産5千万円以下の相続が、全体の7割以上を占めています。相続財産が5千万円以下というと、自宅の土地建物と幾ばくかの預貯金と死亡保険金、というごく一般的なご家庭が当てはまります。
 
 遺産の分け方で裁判になるほどの争いになってしまうケースというのは、決して他人ごとの話ではないのです。相続税がかかる可能性のある場合は、事前に専門家に相談するなど、対策を講じていることが多いのですが、相続税の心配がないゆえに遺産分けの方針を決めていないと、いわゆる“争族”になるケースが少なくありません。
身内が争って人間関係が壊れてしまうのは、お金以上にもっと残念なことです。

 遺された人たちが思わぬ納税負担で苦労することがないように手を打つこと(相続税対策)、奥さまが相続発生後も安心して希望の生活ができるよう準備すること(遺族の生活設計)、遺産をめぐってのもめ事で家族の絆に亀裂が走らないようにすること(争族対策)、こうした点が、相続が発生する前にぜひ対処しておきたいことになります。

 故人の思いがきちんと反映され、遺族がもめないための準備が、なによりも望まれます。

 FPフローリストでは、相続前や相続が起きた後の対策・資金準備・資産活用などのご相談を受け付けております。相続での困りごとは税金のことだけではないケースが多いため、敷居が低く、幅広い相談に対応できる相続相談に慣れたファイナンシャル・プランナーにご相談することで、きっと気持ちが軽くなると思います。

ご相談内容の整理がついていなくても大丈夫ですので、まずはお気軽に初回相談をご利用下さい。お役に立つことができれば幸いです。

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