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子どもたちのうち、1人だけに自宅を遺したい場合の注意点

子どもたちのうち、1人だけに自宅を遺したい場合の注意点
子どもたちのうち、1人だけに自宅を遺したい場合、相続上でどのようなトラブルが想定されるでしょうか?まずは次の事例をみてください。
ファイナンシャル・プランナー ゆりもと ひろみ
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次男に自宅を遺したい…

70代のHさんの財産は、10年前に先立たれた夫から相続した郊外のささやかな自宅のみで、まとまった預貯金はありません。Hさんには、息子が3人います。長男と三男は結婚して住宅を所有しています。次男は独身で、10年以上Hさんと生活し、最近、要介護認定を受けたHさんの身の回りの世話をしてくれています。Hさんは自分が死んだ後、次男に自宅を譲りたいと考えています。でも次男は自宅を自分が全部相続することを、兄弟が納得しないのではないかと気にしています。

分割する際の3つの方法

「相続財産が不動産のみ」というケースの場合、遺産を分けるには主に3つの方法があります。

一つ目は、3人で3分の1ずつ所有する(共有持ち分登記)という方法です。この方法の問題は、不動産を売買する際、必ず3人の合意が必要になる点にあります。相続が起きるごとに持ち分の保有者が増えもめやすいので、避けた方がよいといわれています。

2つ目は、不動産を売却して現金化し、3人で平等に分ける方法です。現金が一番分割しやすいのですが、自宅を次男に相続させたいという、Hさんの希望を叶えることはできません。

3つ目は代償分割です。相続人のうちの1人が不動産を相続し、他の相続人に遺産分割相当の現金を渡すという方法です。不動産を売らずに済むのですが、不動産の相続人が他の相続人へ渡す現金を持っていなくては、この方法を取ることができません。

トラブル防止の特効薬

以上のことを踏まえると、Hさんが次男に自宅を相続させるには、次の2つの準備が必要になります。まず「自宅を次男に相続させる」という遺言書を作成しておくこと。次に、次男が他の2人の兄弟に代償分割で支払うための現金を、準備することです。遺言書があれば、遺留分にあたる財産の6分の1相当の現金などを、次男が2人の兄弟に渡すことで決着しやすいため、自宅の保持がしやすくなります。

また、相続時に必要な現金を準備するためには、生命保険の活用が効果的です。被保険者をHさんとする生命保険に入り、死亡保険金受取人を次男に指定しておくと、相続財産とは別枠で次男に資金をのこすことができます。生命保険金は、受取人固有の財産となり、民法上は原則として遺産分割の対象から外せます。また税法上は「みなし相続財産」となりますが、一定の金額までは課税対象にならずに済みます。

生命保険を活用すれば、納税資金の確保や代償分割の資金を準備することができ、相続トラブルを防ぎやすくなります。もし保険料支払いが経済的に厳しければ、契約者次男、被保険者Hさんで加入する方法もあります。この場合は、Hさん死亡時の保険金は次男が一時所得として受け取ることになり、相続財産とはなりません。

 最後に、Hさんがいなくなった後も兄弟仲良くしてほしいのでしたら、生前に他の兄弟も加えて話し合いをしておくことや、遺言書に、財産の分け方だけでなく、Hさんの3人の息子たちに対する気持ちや願いを盛り込んでおくことをお勧めします。家族の気持ちが通い合うことが、トラブル抑止の一番の特効薬です。

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