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災害に遭ったときに役立つ3つのお金の知識

災害に遭ったときに役立つ3つのお金の知識

2018年を振り返ってみると、大阪北部地震や西日本の豪雨災害など、大きな災害がいくつも起きた年でもありました。私たちの住む日本は地震大国ともいわれ、今後起きるかもしれない大きな地震の予想も伝えられています。私たちはいつどんな災害に遭うかわからない状況のなか生活していますが、もし災害に遭ってしまったとき、生活を支えてくれるのは「お金」です。いざというときのために食料や水、生活用品などの備蓄も必要ですが、災害に遭ったときのお金について役立つ知識も持っておくことをおすすめします。

岡田のりか

いざというときに備える現金

「現金」を備える、ということを考えたことはありますか? 実際に被害に遭ったら「まず」必要になるのは現金です。ライフラインが止まってしまえば、ATMなどは使えなくなることがありますし、紙幣の在庫が足りなくなってしまうことも可能性としてはあるでしょう。自動販売機で使ったり、おつりが準備できないお店で買い物をしたり、と考えると、千円札や硬貨を中心に、数日~数週間、生活することができるだけの準備はしておきたいものです。

また、通帳や印鑑を災害で紛失してしまった場合は、本人であることさえ証明できれば、印鑑の代わりに拇印が使えるなどの特別ルールが採用されることが多いようです。日本銀行から発表されている「災害時における金融上の特別措置」https://www.boj.or.jp/about/bcp/fso/index.htm/

を参考にしたり、取引している金融機関に直接問い合わせてみたりしましょう。

被災時の住宅ローンはどうなる?

住宅ローンを組んで購入したご自宅が被害を受けても、残念ながら住宅ローンはなくなりませんが、生活再建を優先するために金融機関などに支援してもらうことが可能な場合があります。具体的には、返済方法を変更してもらう(支払の猶予、元金据え置き期間の金利引下げ、返済期間の延長など)ことができる可能性があるのです。

例えば、フラット35の住宅金融支援機構では、「地震、津波、噴火、暴風雨又は洪水により被災された方への返済方法変更」としてホームページ上で具体的な条件や手続きの案内を出しています。https://www.jhf.go.jp/loan/hensai/hisai_goannai.html

こちらによりますと、適用できる人の条件は以下のとおりです。

・融資住宅等が損害を受け、その復旧に相当の費用が必要

・ご本人又はご家族が死亡・負傷等したため、著しく収入が減少し、返済が難しくなった

・事業財産等または勤務先が損害を受けたため、著しく収入が減少した

他の民間金融機関でも、専用の窓口や優遇金利などがある場合がありますので、必要な方はまずは相談してみましょう。

また、返済すること自体が厳しい状況の場合は、災害救助法の「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を適用し、自己破産せずに債務の減額や免除をしてもらうことができる場合もあります。財産の一部を手元に残し、無料で弁護士などのアドバイスを受けることができるというメリットがあります。ただし、対象となる自然災害が限定されていたり、対象となる人の要件があったりするので、検討を希望される方はまず問い合わせてみるといいでしょう。

自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン:

http://www.dgl.or.jp/guideline/

自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインQ&A:

http://www.dgl.or.jp/guideline/pdf/disaster-guideline_qa.pdf

 

被災者に向けた所得税の減免措置がある

災害に遭ってしまった人の、その年の税負担を軽くする制度もあります。

まずは「災害減免法による所得税の軽減免除」。

対象になるのは、

・災害によって受けた住宅や家財の損害金額(保険金などにより補てんされる金額を除きます。)が時価の2分の1以上  かつ

・災害にあった年の所得金額の合計額が1,000万円以下

の方です。

所得に応じて軽減または免除される金額が下記の3区分に分かれます。

 

◆災害減免法により軽減または免除される所得税の額◆

所得金額の合計額

減免または免除される所得税の額

500万円以下

所得税の額の全額

500万円超750万円以下

所得税の額の2分の1

750万円超1,000万円以下

所得税の額の4分の1

 

参考:国税庁 タックスアンサーNo.1902 災害減免法による所得税の軽減免除

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1902.htm

 

 

2つ目は所得控除のひとつ、「雑損控除」です。

適用を受けるには、「生活に必要な資産に関する損失であること」「その資産が、納税者本人または総所得金額等が38万円以下である配偶者のものであること(つまり、家族で所有しているもの)」という条件をクリアする必要があります。

控除できる金額は

(1) (差引損失額)-(総所得金額等)×10%

(2) (差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円

のいずれか多い方です。

こちらは、盗難の被害も対象になります。二次災害として盗難の被害に遭われた方は

「盗難届」を警察に出しましょう。

 

参考:国税庁 タックスアンサー№1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1110.htm

上記「災害減免法による所得税の軽減免除」「雑損控除」のいずれか有利なほうを選ぶことができますが、手続きとして「確定申告」が必要になります。確定申告には証拠となる書類が必要になりますので、「り災証明」や「領収書」など損害を証明する書類を保管したり、損害の状況を写真にとったりしておくことが大切です。手続き時は、最寄りの税務署に問い合わせたり、手続きを教えてもらったりするとよいでしょう。

いかがでしたでしょうか。少し、難しい内容もあったかもしれませんが、いざというときに「制度がある」ことを知っておくだけでも、大きな違いが出てきます。災害への備えのひとつとして、知識をつけておくことも、日頃から意識しましょう。

注記:本文は、2018年8月現在の情報で記載しています。今後の法改正などにより、制度の内容や情報は変更される可能性があります。

 


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