長続きする家計簿のコツを教えてください
家計簿が続かない理由
1,000世帯以上のお金の相談を受けてきた感想ですが、家計簿をつけることに苦手意識を持っている方はかなり多いです。家計簿に対する精神的ハードルを高くしている理由は、「そもそも何のために家計簿をつけるのかが明確でない」というところにあります。実は、家計簿をつける目的は2種類あり、どちらを目的とするかでつけ方が大きく変わってきます。
節約が目的の家計簿
一般的に雑誌などでよく紹介されているのが「節約のための家計簿」です。目的は支出を減らして貯金を増やすことにあり、そのためには惜しみなく努力をしてもよい、という方に向いている方法です。原理は、一時期流行ったレコーディングダイエットと同じです。「今日はいくらお金を使ったのか」を確認し、使いすぎないように支出コントロールを続ける必要があるため、原則、毎日記録が必要です。そして、この記録の代替手段が「袋分け」「お財布分け」と言った、使ってよいお金の見える化作戦となります。この「がんばる家計簿」を続けるには、継続的な努力が必要です。
家計管理が目的の家計簿
一方、「節約を一番の目標としない、がんばらない家計簿のつけ方」があります。それは、「家計管理のための家計簿」です。将来の希望実現のために家計の現状把握をすることが目的となります。
使途の内訳と合計額を年単位で把握できれば、来年・再来年・10年後に、家計で必要な金額が推定でき、必要資金を計算できるようになります。年間で数万円程度の使途不明金は気にしなくても大丈夫です(10万円を超えてくると問題なので、解明が必要です)。
毎月の支払額を千円単位で把握できる長続きする方法であれば、目的の数字が把握できるようになります。家計簿以外に頑張らないといけないことがたくさんある方には、こちらをお勧めしています。
ゆりもと式★頑張らない家計簿術
ゆりもとのお勧めする家計簿術は、 1カ月に1回の計算でOKです。
- まず、仕分けする費目を決定します。細かい記録作業が必要な項目を限定します。毎月決まって出て行く支出の大半は口座やカードから引き落とされ、記録がありますので、現金支出に絞って管理すればOKです。費目決定にコツがあるのですが、できる限り少なくすることがポイントです。例えば、「スーパーで牛乳とシャンプーを買ったレシートをどうすればよいのかしら?」と悩まなくて済むように「食費+日用品費」「スーパー支出」などという費目設定にすれば、仕分けの時間が短縮できます。
- レシートを月単位でクリアファイルなどに集めておきます。「お祭りの屋台で食べ物を買った」など、レシートがない場合は代わりにメモを作ります。
- 1カ月分のレシートがたまったら、費目ごとにレシートを分け、集計をします。
- 口座引き落としの支出と合計すれば、1カ月分の家計簿が完成します。仕分けと集計は1時間あれば十分完了します。集計後、レシートは捨てても構いません。
レシートを自動計算してくれるスマホアプリも便利ですが、まず1カ月分は、手作業で家計簿をつけることをお勧めします。レシートと向き合うことで、自分のお金の使い方について、必ず、新たな発見があると思いますよ。
※本コラムは楽天証券<お金と投資をもっと身近に> 投資情報メディア「トウシル」にて執筆したコラムを転載しております
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