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FPが教える 節約を「食費」から始めてはいけない理由

今回は、支出を減らしたいとき、家計のどこから見直すべきかについてのお話です。主婦の皆さんだと、真っ先に「食費」や「光熱費」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。主婦向け雑誌でも食費や光熱費の節約特集はよく見かけます。しかし実際は、そこから始めるとほとんどの人が挫折してしまいます。なぜなら、食費や光熱費などの節約は家族全員が常に意識し、努力し続けることが必要なので、本当に大変なためです。
ファイナンシャル・プランナー ゆりもと ひろみ
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無理な節約は、ストレスを発散したくなるので逆効果

  FPの視点からいうと、実は「食費」や「光熱費」は最後にするべき節約なのです。理由は、お金を使うべき部分の節約は、どうしてもストレスが溜まるためです。
 例えば、水道光熱費を減らそうとすると、こまめに電気を切る、シャワーを節約して使うなど、行うべき作業が増えます。それを家族に強要すると、反発や衝突が増え、家族みんなに負担感やストレスが漂い始めます。
 このようなとき、最もやりがちなストレス解消方法が「お金を使うこと」です。ちょっと贅沢して美味しいものを食べる、欲しかったバッグを買う、カラオケに行くなどをすると、楽しくストレスを抜くことはできますが、必ず出費が伴います。一生懸命に節約しても、ストレスで衝動的に10,000円を使ってしまえば、それまでの努力は吹っ飛び、むしろ赤字になるのです。

ストレスなく貯められるのは「固定費」の節約

 節約は、家族にストレスがかかることの少ない方法で始めるのが王道であり、成功しやすいです。では、ストレスが溜まらない節約とは何でしょうか。
 それは、家計の費目でいうと「固定費」の節約です。毎月ある程度の金額が通帳から引き落としされている「固定費」の中から、減らすことができるものを考えます。
 仮に毎月1,000円でも支払いを減らすことができれば、今まで通りの生活で、ストレスなく毎月1,000円を貯めることが可能です。

三大固定費――住居費と通信費と保険料

 固定費の代表には、三大固定費「住居費」「通信費」「保険料」があります。
   それぞれについて見ていきましょう。

1 住居費 家賃削減の工夫と、ローンの見直しを

 住居費とは、賃貸では家賃、住宅購入では住宅ローンや、マンションの管理費・修繕費などのコストのことです。
 賃貸の方なら、今より少しでも安い家賃の物件に引っ越す、もしくは、一時的にでも実家に同居させてもらうなどして、家賃を減らすのが効果的です。
 少し窮屈になり、実家に入れるお金は多少必要だとしても、相当大きい金額が毎月貯まり始めます。ただし、引っ越し費用はかかるので、2,3年以上は住み続けることを前提で検討しましょう。
   一方、住宅購入されている方には、住宅ローンの見直しがあります。 今は金利も安くなっているため、何年か前に借りた方が、もっと安い金利にできないか見直しをして、実際に安くなるケースも少なくありません。

2 通信費 自分に合ったプランやキャリアで無駄を削減

 通信費は、携帯電話料金、インターネット代などで、合計すると毎月かなりの金額になるご家庭が多いです。
 削減方法としては、スマートフォンなら格安SIMを選ぶことや、家族みんなで同じキャリアにすることで、月々数百円から数千円の節約ができる場合もあります。
 最低限何に使うかを考えて、安いプランに変更することも検討しましょう。また、1回見直して安心せず、2,3年に一度は見直すと、より安く使えるプランが出ていることもあります。
 光熱費とも関わりますが、電気会社を選ぶ際には、電気と携帯電話、インターネットをまとめて契約するとより安くなるプランなども各種ありますので、調べてみるとよいでしょう。

3 保険料 定期的に見直したい、保障内容と保険料のバランス

 保険料に関しては、生命保険料の見直しが有効です。
 例えば、昔の「更新タイプ」という、同じ保障なのに10年ごとに保険料が上がるタイプのものに入っている場合では、見直すことで安くなるケースが多いです。

  また、生命保険から共済に切り替えれば、割戻金(わりもどしきん)もあり、手頃な価格で最低限の保障をカバーすることができる場合もあります。生命保険および共済を活用し、保障内容と保険料のバランスも定期的に見直すことをおすすめします。

煩雑な手続きを一気に終わらせて「自動節約」を始めましょう

 支出を減らすには、まずは三大固定費にメスを入れ、安くなるように見直しや手続きをするのが最も効果的です。そう理解していても、詳しい人や専門家に聞かないと分からないことも多く、煩雑な手続きもあり、面倒でやりたくない人が大半かと思います。

 しかし一度頑張って手続きを終えれば、あとは自動節約ができるようになり、毎日のストレスも、特別な努力の必要もなく、削減した分が毎月貯まり始めます。ぜひ、先延ばしにせずこの機会に始めてみてはいかがでしょうか。

節約でも稼いでもよし!トータルで貯金が増えれば成功

 固定費の節約を終わらせた上で、時間的、精神的に余裕があり、もっと細かな節約までしたいという方は、食費や光熱費などの節約に取り組まれてもよいでしょう。
 ただ、頑張って節約しても、ひと月3,000円くらいしか変わらない場合も多いです。
 無理してストレスでいっぱいになるくらいなら、外に出て働いて、3時間で3,000円を得るほうが精神的に健全だというタイプの方もいらっしゃるでしょう。

 絶対に節約しなければならないわけではなく、「トータルで家庭の貯金が増えればよい」と心得て、工夫を楽しみつつ貯蓄アップに取り組まれることをおすすめします。

 FPフローリストでは、節約情報の他にも、お金の面で「自分や家族の夢を叶える」ためには、どのくらいの貯蓄体質に変わることが必要なのかをライフプラン・シミュレーションでご提案しています。

 この機会に無駄を見直して、無理なく貯蓄を増やす方法を知ってみませんか? プロに相談されたい方は、ぜひFPフローリストのファイナンシャル・プランナーにご相談ください。

※本コラムは共済・保険ガイドサイト<お金と仕事と共済>にて執筆したコラムを転載・加筆しております。

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