NISAも影響! 成年年齢引き下げの変更点
◆なぜ「成年年齢」が変わるのか
◆成年年齢引き下げで変わること
◆成年年齢を引き下げしても変わらないこと
◆NISAの年齢要件も引き下げに
◆なぜ「成年年齢」が変わるのか
平成26年に憲法改正国民投票の投票権年齢を20歳から18歳に改正され、その後、公職選挙法の選挙権年齢を18歳と定めるという流れから、民法においても成年年齢を18歳とする議論がなされるようになり、結果、引き下げられることになりました。
18歳、19歳の方にも社会的活動に参加してほしいという意図があるかもしれませんね。なお、2022年3月現在、世界的でも成年年齢を18歳とするのが主流となっています。
◆成年年齢引き下げで変わること
成年に達すると、親の同意を得なくても、自分の意思で様々な契約ができるようになります。
例えば、携帯電話を契約する、一人暮らしの部屋を借りる、クレジットカードをつくる、高額な商品を購入したときにローンを組むといったことが可能になります。活動の自由が広がりますが、一方で、未成年者取消権が行使できなくなり、契約に対する責任を負うことにもなります。また、女性の婚姻可能年齢が16歳から18歳に引き上げられ、男女ともに18歳で統一されます。
◆成年年齢を引き下げしても変わらないこと
民法での成年年齢が18歳になっても、飲酒や喫煙、競馬などの公営競技に関する年齢制限は、健康面への影響や非行防止、青少年保護等の観点から、従来通り20歳のままとなっております。
また「子供が成年に達するまで養育費を支払う」と取り決めていた場合、直ちに成年年齢が18歳となるわけでなく、取り決めが行われた時点の成年年齢が20歳であれば、子供が20歳になるまでは養育費の支払義務があると考えられます。
◆NISAの年齢要件も引き下げに
今回の改正で18歳以上の人は親の同意なしで銀行や証券会社の口座を開設できるようになります。また、成年年齢が引き下げられることで、2023年1月1日時点で18歳以上の方はNISAの口座開設も可能となります。同様にジュニアNISAの年齢要件も引き下げられます。
※ジュニアNISAは2023年終了予定です。
成年年齢の引き下げにより自由が広がりますが、その分責任も発生してきます。親権者の同意がないことを理由にした契約の取消しができなくなるため、不利な契約を結ばないよう注意しましょう。お子様がいらっしゃる方は、お子様が将来、トラブルに巻き込まれないよう、契約時の注意点や、お金についての知識をこの機会に共有されてはいかがでしょうか。
(2022年2月18日時点の情報をもとに作成)
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