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学校では教えてくれない!公的年金の基本と豆知識

●国民年金は全員加入!私は第何号被保険者?
●全員加入の国民年金:支払う保険料はいくら?年金はいくらもらえるの?
●年金をもっとお得に!年金豆知識
ファイナンシャル・プランナー 橋本 絵美

2019年に老後2,000万円問題が話題になりましたが、自分が加入している年金やいくら年金をもらえるか、きちんと確認している人はどれくらいいるでしょうか?

 学校では教えてくれない年金制度。豊かな老後生活を送るために、まずは基本を押さえておきましょう。

国民年金は全員加入!私は第何号被保険者?

 20歳になると日本に住んでいる限り必ず国民年金に加入しなければいけません。無職や学生、外国籍の人も含め全員加入し、国民年金保険料を納めます。

 国民年金は職業などによって第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者に区分されます。

第1号被保険者:20歳以上60歳未満の自営業者、学生、無職など
(第2号被保険者、第3号被保険者にあてはまらない人)

第2号被保険者:厚生年金に加入している会社員、公務員など

第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者

全員加入の国民年金:支払う保険料はいくら?年金はいくらもらえるの?  

第1号被保険者

 第1号被保険者の人は自分で国民年金加入の手続きをしなければいけません。

 20歳になると日本年金機構から国民年金加入のお知らせが届きます。原則20歳から60歳までの40年間国民年金保険料を納めます。

 国民年金保険料は月額1万6,610円(2021年度)です。保険料を納付した期間などを合計して10年以上という受給資格期間を満たすことで、65歳から老齢基礎年金を一生涯受け取ることができます。

 老齢基礎年金額は満額の場合、年78万900円(2021年度)です。

 保険料の支払いが難しい場合、免除や猶予、学生納付特例などが認められており、受給資格期間としてはカウントしてもらえますが、受給額は減額されます。

 手続きをせずに未納となった場合は受給資格期間としてカウントされず10年という受給資格期間を満たせない恐れがあります。

 ほったらかしにせず、かならず手続きをするようにしましょう。

20歳から60歳まで40年間月額1万6,610円保険料を納付すると
65歳から年額78万900円受給できる!
※金額は2021年度の場合

第2号被保険者

 第2号被保険者の人は勤務先が手続きをしてくれて国民年金に加えて厚生年金にも加入します。厚生年金保険料は月給、賞与の額によって決まり、労使折半で支払います。

 国民年金保険料を別途納める必要はありません。20歳未満であっても勤務先で厚生年金に加入している場合は厚生年金保険料を払います。

 10年以上の老齢基礎年金の受給資格期間があり、厚生年金の加入期間が1カ月以上あれば、老齢基礎年金(満額78万900円 2021年度)に加えて老齢厚生年金を受け取ることができます。

 支給開始年齢は生年月日によって61歳から65歳へと段階的に引き上げられており、男性は1961年4月2日生まれ以降の人、女性は1966年4月2日生まれ以降の人は65歳からの受給開始となります。老齢厚生年金の金額は加入期間や収入に応じて決まります。

会社員は厚生年金に加入。厚生年金保険料を会社と折半して支払う
将来もらえる年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金

 目安として、会社員と専業主婦の夫婦が将来受給できる年金額は老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)と老齢厚生年金をあわせると月額22万496円となります。

※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合で計算。

第3号被保険者

 第3号被保険者の人は第2号被保険者の勤務先が手続きをしてくれます。国民年金保険料は配偶者の加入している年金制度が負担してくれるため個人で保険料を納める必要はありませんが、65歳から老齢基礎年金を一生涯受け取ることができます。

 よくあるパターンとして、就職し第2号被保険者であった人が仕事を辞めて第3号被保険者になった場合には、それぞれの受給資格期間を満たしていれば老齢厚生年金と老齢基礎年金を受け取ることができます。

年金をもっとお得に!年金豆知識

 年金の基本的な仕組みを理解した上で、年金のお得な豆知識をご紹介します。

保障機能も備えてる!障害年金、遺族年金

 年金制度は老後資金の準備だけではなく、実は保障機能も備えています。

障害年金

 年金加入者が病気やけがによって法令によって定められた障害状態になった場合には障害年金を受け取ることができます。

 障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。

 国民年金加入中や20歳前に初診日がある病気やけがにより、法令によって定められた障害等級1級、2級となった場合は障害基礎年金が支給されます。

 18歳到達年度末までの子がいる場合(1級、2級の障害のある子の場合は20歳になるまで)には加算額が支給されます。

 厚生年金加入中に初診日のある病気やけがで障害基礎年金の1級、2級になったときは、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されます。

 2級に該当しない軽い程度の障害のときは3級の障害厚生年金が支給されます。

 初診日から5年以内に病気やけがが治り、障害厚生年金を受けるよりも軽い障害が残ったときには障害手当金が一時金で支給されます。

遺族年金

 年金加入者が亡くなった場合には、亡くなった方によって生計を維持されていた遺族に遺族年金が支給されます。

 遺族年金には、「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」があります。

 国民年金に加入中の方が亡くなった場合は、受給要件を満たしていれば、亡くなった方によって生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」を対象に、子が18歳到達年度の末日まで(1級、2級の障害のある子の場合は20歳になるまで)遺族基礎年金が支給されます。

 厚生年金に加入中の方が亡くなった場合は、受給要件を満たしていれば亡くなった方によって生計を維持されていた遺族のうち最も優先順位の高い方に遺族厚生年金が支給されます。遺族基礎年金を受給できる場合は併せて受給することができます。

 個人で生命保険に加入している方も多いと思います。公的年金での保障を知った上で加入すると生命保険の入りすぎを防ぐことができます。

繰り下げ受給で年金額UP

 年金の受給時期は原則として65歳に達した日の翌月分からですが、60歳以降65歳になるまでの間に受け取る繰り上げ受給や66歳以降70歳(2022年4月から75歳)になるまでの間に請求して受け取る繰り下げ受給をすることもできます。

 繰り上げ受給をした場合、受け取る年齢に応じて年金額が減額されますが、繰り下げ受給をした場合には受け取る年齢に応じて年金額が増額されます。ひと月繰り下げると0.7%ずつ増額され、一生涯増額された率の年金を受け取ることができます。

 老齢基礎年金と老齢厚生年金はそれぞれ異なった希望の時期に繰り下げることができるので、カスタマイズするとよいでしょう。

産前産後休業・育児休業期間中の保険料免除

 産前産後休業中や育児休業期間中は本人、勤務先とも厚生年金保険料が免除されます。さらに、保険料を納めたものとして年金額に反映してもらえます。

 また、復職後に時短勤務などで月給が下がった場合には、子どもが3歳までの間、申し出により保険料は下がった月給に応じた低い負担額のまま、年金額は休業前の高い標準報酬月額を反映してもらうことができます。

 妻だけでなく、夫が育児休業を取得した場合であっても同様に対応してもらえます。子育てと仕事の両立は大変なものです。このような措置があることはありがたいですね。

 公的年金の基本的な仕組みと豆知識についてご理解いただけましたか?

 将来もらえる年金について不安も大きいことでしょう。公的年金だけで豊かな老後を過ごすことは難しいかもしれません。

 自助努力によって老後資金を確保することは大切ですが、まずは公的年金を理解した上でプラスαの対策をとるとよいでしょう。

 将来受給できる年金額は日本年金機構の「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認することができます。保険料を払っていない期間がある方、保険料を支払うのが難しいという方はそのままにせず、必ず手続きをとるようにしましょう。

 各詳細は日本年金機構ホームページをご確認いただくか、年金事務所または勤務先に問い合わせてみてください。

※本コラムは楽天証券<お金と投資をもっと身近に>投資情報メディア「トウシル」にて執筆したコラムを転載しております。

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