“おうち起業”を考えているママへ。始める前にまずやっておきたいこと

起業する前にやっておきたい「お金の整理」

“起業”と言っているのに、「家計？」と思われるかもしれませんが、なぜまず「家計」を整理しておいていただきたいのか、その理由をお伝えしますね。

【理由１】　家計の現状を把握することで、起業のタイミングが今なのかを見極められる

　“起業”しても、すぐに収入につながるとは限りません。もちろん売り上げがあれば、収入を得られますが、入金までに時間がかかることもあります。実際に売り上げが入る前に準備資金をある程度見込んでおくことも必要でしょう。商品を作って販売するのであれば材料の仕入れや、作るための機材の準備費用、物販でなかったとしても、ホームページを作ったり、名刺やチラシを作成したり、あるいは勉強にいくなど、それなりに費用が必要になります。その準備資金は、基本的には現在の蓄えから賄わなくてはなりません。

　現在の家計に余裕がなければ、起業することで、家計の状況をかえって悪化させることにもなりかねないのです。「今すぐに収入が必要である」、「今ある貯蓄は切り崩したくない」という家計の状況であれば、起業するタイミングは今ではないかもしれません。その場合は、準備資金を貯める期間と必要額を決めて、準備してからでも遅くはありません。

　同時に、今の貯蓄からいくらぐらい、「準備資金」として使うことができるのかも把握できますし、今後の売り上げの目標を立てていく際にも、重要な指標にもなります。

【理由２】　家計管理をシンプルにすることで、仕事の時間を確保できる

　“起業”をするからには、当然ある程度の収入を目指していくことになります。もちろん、目標は高く！と言いたいところですし、ママによっては、「好きなことを仕事にするのだから、あまり採算は考えたくない」とおっしゃる方もいます。しかし、おうちで起業するということは、規模が小さくてもビジネスなので、お金の管理がどうしても必要になります。ママが家計を預かっている場合、お一人で、家計とビジネスのお金の両方を管理していくことになります。そういう状況を考えると、もともと管理している家計において、多くの口座や複数のクレジットカードを使うような、複雑なお金の流れがある管理方法だったり、家計とビジネスのお金が一緒の口座に混じってしまったりしている状況では、お金の管理をすること自体が大きな手間にあり、時間のロスになります。

“おうち起業”で一人でやるということであれば、本来ご自身の「好きや得意」な本業以外の業務が多岐にわたります。なるべく本業に時間を割いていくためにも、お金の管理はなるべくシンプルに、そしてわかりやすくしておくと仕事を進めていくうえで、ストレスも減り、本来やりたい業務に時間をかけることができます。

シンプルにお金を管理するにはどうすればいい？

　お金の管理をシンプルにする方法を１つ教えましょう。それは、普段の引き落としや生活費の管理に使う口座をなるべく一つの銀行にまとめてしまうことです。一見当たり前のことに感じるかもしれませんが、ご夫婦各々の職場で指定された銀行から、それぞれ引き落としがあったり、以前メインで使っていた銀行口座からの引き落としが一部残っていたり、別の銀行に貯蓄分だけ移していたりすると、状況をつかむのにかなりの時間がかかってしまいます。

　おうち起業をいい機会と捉えて、生活費はA銀行、おうち起業はB銀行と分けておきましょう。お仕事のための専用口座と専用カードを用意するのです。

　「カードまで？明細が出るから、家計かお仕事かわかるでしょ？」と思われるかもしれませんが、明細をチェックして、振り分けて、お仕事の経費をカードの引き落とし口座に入金して・・という作業も、時間と手間がかかります。家計と仕事、別々のカードで精算し、それぞれ家計口座、仕事口座から引き落としできるようにしておけば、上記の作業は一切省くことができます。

“おうち起業”の前に大事なのは、お金管理のベース作り

　自分自身で仕事量も時間も決められる“おうち起業”は、特に小さい子どもがいるママにとって、とても魅力的な働き方です。副業解禁の流れも相まって、こうした働き方は、どんどん拡大していくでしょう。起業で得るメリットが大きい反面、事前にお金管理の土台ができていないと、手間がかかるだけではなく、家計に悪影響を及ぼしたり、お金が原因でせっかく始めたお仕事がつづけられなくなるリスクも伴います。
　好きな仕事・得意な仕事を長く続けていくためにもまずは、お金管理のベース作りから始めていきましょう。

　FＰフローリストでは、お役立ち情報の他にも、お金の面で「自分や家族の夢を叶える」ためには、どのくらいの貯蓄体質に変わることが必要なのかをライフプラン・シミュレーションでご提案しています。おうち起業を検討しているこの機会に無駄を見直して、無理なく貯蓄を増やす方法を知ってみませんか？　プロに相談されたい方は、ぜひＦＰフローリストのファイナンシャル・プランナーにご相談ください。