これだけはやっておきたい!家計のカンタン決算法
家計の見直しをしたほうがいいことはわかっていても、本格的に見直すにはエネルギーが必要です。家計簿を毎月つけられれば正しい数字が分かりますが、なかなか続かない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、家計簿が続けられなくて困っている方に向けて、家計管理のためにこれだけはやっておきたい方法をご紹介しましょう。
- 家計の全体像を見える化する方法とは?
「もっと貯蓄額を増やしたい!」「いつも赤字っぽいので何とかしたい!」「ボーナスが何に消えているのかよく分からない!」
このような悩みを解決し、家計の黒字化を果たすために一番大事なことは何かと言いますと、「現状の把握」です。病気でお医者さんに診てもらう時と同じで、「いつから、どんな症状が出ていますか?」という質問に、適切に答えられれば正しい処方箋がもらえます。
ところが、家計の現状が見えるような情報を頂けないと、「何故お金がないのか分からないんです!」といくらFPに熱く訴えて下さっても、アドバイスのしようがありません。また、夫婦で話し合おうとしても、憶測や感情で話すと、エキサイトする割には解決に至りません。
そこで、手っ取り早く、家計の全体像をバシッと「見える化」する方法をご紹介します。これが「家計のカンタン決算法」です。
今回は、「家計簿をつけたことがない」「収支の計算をしたことがない」という方でもできる、一番簡単な方法をお教えします。
- 必見!家計のカンタン決算法
準備するもの
・給与(収入)振込口座の通帳
・引き落とし口座の通帳
・取り分け貯蓄している口座通帳や明細(財形・保険・証券など)一式
・お財布・たんす預金など、家にあるお金 (1万円単位でOK)
通帳は直近までの記帳をしておいてください。またネット銀行で通帳がない場合は、1年分の明細をご準備ください。
家計のカンタン決算法では、3つの金額を明らかにします。
①この1年で、いくら入ってきたか
②この1年でいくら使ったか
③この1年でいくら貯蓄できたか(もしくは赤字だったか)
3つの数字のうち、①いくら入ってきたかと、③いくら貯蓄できたか(または赤字だったか)は、準備いただいた資料から計算することが可能です。
「この1年でいくら入ってきたか 」
給与振込みや手当金など、記帳されている収入をすべて合計すると出てきます。
普段思っている額より大きな金額になるのではないでしょうか。
「この1年でいくら貯蓄できたか(もしくは赤字だったか)」
これは、「今日の通帳残高や貯蓄明細残高と、手元のお金すべてを合計した額」から、「ちょうど1年前の残高合計」を引くと出てきます。
<計算式1> 年間貯金額 = 現在の通帳等の残高 + 手元のお金 - 1年前の残高
この2つの数字が分かれば、いよいよ「この1年でいくら使ったか」を算出することが可能です。「入ってきたお金」から、「貯蓄できたお金」を引くと、「使ったお金」の金額が明らかになります。
<計算式2> 使ったお金 = 入ってきたお金 - 貯蓄できたお金
※ 貯金が赤字の場合は、「入ってきたお金」と赤字額を足します。
- カンタン決算で家計を改善するきっかけ作りを
このカンタン決算法は、思い立ったらいつでも実行可能です。できれば年末や年度末などに毎年やっていくと、年を追うごとに貯蓄が増えているのか減っているのか、このままの家計で5年後、10年後も大丈夫か、等が見通せるようになってきます。
3つの数字を出してみると、「えっ、1年間でこんなに使ったの?」 と、びっくりするご家庭が大半だと思います。 赤字気味だった場合は、わかる限り「お金の使い道と金額」を書き出して、改善できる点はないか点検してみましょう。貯蓄ができていたお家は、その貯蓄額が納得いく額であるか、来年もこの貯蓄ペースで大丈夫か、考えてみましょう。
カンタン決算を、家計改善の取っ掛かりにしていただければ幸いです。
- 教育費や家計、資産運用などの疑問はFPに相談して解決しよう!