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教育費のピンチを救うお役立ち制度

教育費のピンチを救うお役立ち制度
親としては、子どもが希望する進路を歩ませてあげたいもの。けれども、予想とは違う進路を選ぶことになった、あるいは、思うように進学費用を貯めることができなかったとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか? このように教育費がピンチになったときに利用できる制度があります。そこで今回は、主に高校生向けの制度についてご案内します。
ファイナンシャル・プランナー 中垣 香代子
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返済不要!「給付型」奨学金制度

奨学金は大きく分けて、返済の必要がない「給付型」と返済の必要がある「貸与型」があります。ここでは、返済の必要のない「給付型」の奨学金にはどのようなものがあるか、例を挙げてみましょう。

◇自治体の奨学金

・「居住・成績・人物・所得」などの支給条件が課されていることが多い。

・毎月給付されるものと、入学金や一時金などまとまった金額を給付されるものがある。

・自治体により、金額や支給要件などが異なる。 

 

◇民間や企業の奨学金

小児がん経験者・がん遺児向け、消防活動に従事・協力したために死亡・後遺障害で働けない家庭の子、高速道路での事故で死亡・後遺障害を負った人の子、音楽の道を目指す子向けのものなどがある。

 

「給付型」の奨学金は高速道路事故の遺児に対するもの以外は募集人数が少ないため受給は難しいかもしれませんが、対象となる場合は是非とも申請されることをお勧めします。 

利用しやすい「貸与型」奨学金制度

 それでは返済の必要がある「貸与型」の奨学金にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

◇自治体の奨学金

「居住・所得」などの支給条件が課されていることがある。

 

◇民間の奨学金

保護者が交通事故で死亡・後遺障害により働けない家庭の子向け、保護者が病気や災害(交通事故を除く)・自死により死亡・著しい後遺障害により働けない家庭の子向けなどがある。

 

「貸与型」の奨学金は、「給付型」に比べて、採用人数も多く利用しやすいといえます。しかし、奨学金は親ではなく子が借りるものなので、学生生活を終えたときに借金を背負って社会に出ていくことになります。そのようなことを意識しながら、本当に必要な金額だけ借り入れるようにしましょう。

 奨学金の中には他の奨学金との併給を認めないものが多くあります。たとえば、「自治体から奨学金の給付を受けているため、他からも貸与を受けようと思っても受けられない」というようなことが起こり得るので注意が必要です。

 

学費の負担がない学校を選択する

学費の負担なく学べる学校というと、防衛大学校・防衛医科大学校・自治医科大学などを思い浮かべる方も多いかもしれませんね。実は大学だけでなく、学費負担のない高校もあります。

 

◇陸上自衛隊高等工科学校

将来陸上自衛隊で活躍できる自衛官を養成するため、中学卒業予定者を採用している学校。高校の普通科と同等の教育と各種技術や訓練を受け、全員が駐屯地で生活する。身分は特別職国家公務員で、毎月手当がもらえる。

 

◇企業内学園

優秀な技術者を早くから確保し育てるために企業が設立した学校。広域通信制の高校と提携し、高卒資格を得ることができる。そのグループ企業に就職することが前提となるため、中学生の段階で就職先まで決まってしまうことに多少の懸念はあるが、将来は技術者になりたいと強く望んでいるお子さんには一考の価値がある。

 

まだある!家計を助ける奨学金制度

 これまでにお伝えしたもののほかにも、親の所得が一定以下であれば受けられる給付金や特定の地域や塾限定のユニークな奨学金制度があります。では、代表的なところをご紹介しましょう。

 

◇高等学校等就学支援金制度(国の制度)+学費補助制度(各自治体の制度)

最近まで「高校無償化」と呼ばれていた制度。平成26年度入学者より所得制限が設けられている。国立・公立は「一律分」の118,800円が支給される。私立の場合は所得に応じ「一律分」に加え「加算分」や、各都道府県より「学費補助金」や「授業料助成金」が支給される。

 

◇東京都:受験生チャレンジ支援貸付事業貸付金

学習塾などの費用や受験費用を借りられる制度。所得制限あり。貸し付け対象となる学校(学校教育法に規定する高等学校、特別支援学校、高等専門学校、大学、短期大学、専修学校等)に入学した場合は申請により返済が免除される。

 

◇塾・予備校

模試で好成績を収めることにより、授業料が無料となるところがある。

 

◇労災就学援護費

労災により死亡または後遺障害を負った人のうち遺族(補償)年金受給者・第1~3級の障害(補償)年金受給者・傷病(補償)年金受給者の子に支給される。

 

 

 教育費の捻出が難しくなってしまったときでも、進学をあきらめる必要はありません。学校や自治体、そして私たちファイナンシャル・プランナーに相談してください。きっと有効な方法はあるはずです。これからも経済的な理由で進学をあきらめるお子さんが1人でも減るよう願っています。

 

 

 

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