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円安ドル高時にインフレから資産を守る方法とは?

2022年10月21日現在、1ドル=150円となっています。急激な円安進行に、この先はどうなるのだろうと不安をお持ちの方も多いと思います。円安の背景には、日本の経済停滞と世界的な悪いインフレがあります。日本も物価や電気代の値上がりがじわじわと進んでいますが、アメリカとイギリスの事情をご紹介した上で、資産防衛として、特に円安対策を考えてみたいと思います。
(2022年10月21日の情報に基づき執筆)
ファイナンシャル・プランナー ゆりもと ひろみ
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アメリカのインフレ

2022年8月時点のアメリカの消費者物価指数は8.3%です。(2022年6月の9.1%が過去40年で最も高い数値でした)1年前の2021年8月は5.3%、2年前の2020年8月は1.3%であったことと比較すると、先進国としては高すぎる水準が続いていると言えます。過去を見ても、1980年代以来のおよそ30年ぶりのインフレ水準となっています。

物価上昇の代表的な商品としては、車社会であるアメリカでは、ガソリンの高騰が家計を直撃しています。1年前は1リットル 120円だったガソリン価格が現在190円まで値上がりしています。その他家賃、食品、車なども急ピッチで値上がりが続いていると言われています。

原因は大きくは2つ挙げられます。コロナで委縮した経済が復活し始めたが、人手不足や流通の問題で供給が追い付かず、サービスの価格が上昇し続けていること。更にウクライナ戦争の制裁のため、ロシアの資源や穀物の輸入が止まり、原材料の高騰が続いているためです。

参考:アメリカ消費者物価指数2021-2022年 (前年比)

■イギリスのインフレ

 2022年夏にヨーロッパ―出張に行った知人から「今、イギリスの電気代は日本で言うと基本料金だけで2万円を超えており、電気代が払えない人が続出している。これから厳しい冬が来ると大変なことになるだろう」と、びっくりするような話を聞きました。
 イギリスはコロナ下から経済が復活することによる急な需要回復と、性急な「脱炭素」を目指して偏った電力源構成に舵取りをしたため、2021年から電気代が高騰し始めていました。そこへウクライナ戦争が勃発。イギリスはアメリカに追随し、ロシアへの経済制裁としてロシア産原油や天然ガスの禁輸措置を実行しました。その結果、天然ガス価格等が高騰し、2022年10月からは、家庭での電気・ガスの料金が8割値上げされることになってしまいました。値上げ後の電気代・ガス代は一般家庭の平均で月々5万円近くにもなる計算です。更にこれからも値上げを予定しているということです。日本の食品や電気代の値上がりも痛いですが、日本とは桁が違うインフレに見舞われているようです。FPとしては、イギリス一般家庭の家計が光熱費の値上がりに耐えられるのだろうかと心配になってしまいます。

■円安の原因と資産防衛として取る策は

 アメリカではインフレの進行を抑制しようとハイペースでの利上げを繰り返しているため、ゼロ金利が続いている日本円と金利差で円安が進んでいます。円安に歯止めがかかるのは、アメリカやヨーロッパの利上げが一服するタイミングであり、それはアメリカ政府が利上によるインフレ抑制効果を出すことが確認できた時期となるでしょう。
 アメリカの中央銀行FRBは、今後政策金利をさらに段階的に引き上げることを決定しています。利上げ政策にはインフレ抑制効果はありますが、やりすぎると経済への悪影響も大きいため、慎重なかじ取りが進むと想定されます。ただ、需要と供給のバランスが崩れたことによるインフレのみであれば、経済循環でいずれ解決に向かいますが、ウクライナ戦争が要因となっているインフレは、戦争が終結し、平時の政治経済の状態に戻らなければ収まらないでしょう。もし戦争が長期化泥沼化すれば、更なるインフレや経済混乱を引き起こす危険もあります。

 このような状況での資産防衛としては、(円安が進行している中では少し理解しにくいかもしれませんが)基軸通貨であり且つ金利の高いドル資産を一定割合持つこと、資産運用の一部にコモディティー(資源・金等)投資をディフェンスとして組み入れること、等が考えられます。

 円安やインフレで大切な資産が目減りすることを防ぎたい方、これから資産運用を始めたい方、現在運用中のポートフォリオの見直についてご相談を希望される方は、FPフローリストのファイナンシャル・プランナーにぜひご相談下さい。現状を理解し、家計とライフプランの状況に基づき無理なく実行できることを整理することで、不安軽減のお力になれれば幸いです。

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