株を買っている人の注意点は?
今回の変化で、個別株を保有している人や、投資信託を買っている人は、どういったことに注意が必要でしょうか?今回は、再編前から株式や投資信託を買っている人の注意点をお話しします。
◆再編後の各市場の基準
◆各市場のコンセプトが明確になる
◆注意点1 TOPIXと市場区分が連動しなくなる
◆注意点2 株主優待の廃止が増える
◆再編後の各市場の基準
東京証券取引所から出されている各新市場の基準は以下となります。
プライム市場:グローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向けの市場
スタンダード市場:公開された市場における投資対象として十分な流動性とガバナンス水準を備えた企業向けの市場
グロース市場:高い成長可能性を有する企業向けの市場
◆各市場のコンセプトが明確になる
さらに詳しく要件を見ていくと、「時価総額が大きく、誰でも知っているような銘柄はプライム市場」という具合に、今までよりも、投資したい企業がどの市場に上場しているかが判断しやすくなることが期待できます。
今までと違い、会社が成長せず、時価総額が小さくなればプライムから外されます。
また、中小型でこれから成長期待ができるような銘柄を買いたいという方は、グロースの市場から選定していけばよいということになります。
◆注意点1 TOPIXと市場区分が連動しなくなる
逆に、再編成に際して気を付けて頂きたいこともあります。
まず、TOPIX(トピックス)という、東証一部上場の全企業が対象になっていた指標に大きな影響があります。日本株式に投資信託を通じ投資をしている方は、TOPIXをベンチマークとするインデックスファンドに投資されている方が大変たくさんおられます。
ところが今回の市場再編で、東証一部という概念、市場がなくなります。すると今までTOPIXで運用していた投資信託はどうなるのかと言うと、再編後は、TOPIXと市場区分が連動しないことになります。
そのため、2022年10月から2025年1月にかけて、TOPIXの構成銘柄を徐々に移行していくことが決まっています。今までは東証一部の全銘柄約2,200が採用されていました。ところが、例えば、流通株式時価総額が100億円未満になると、採択から外れていくことになります。
つまり今TOPIXに入っているけれども、いずれ除外される個別銘柄を買っている人は、マイナスインパクトとなります。TOPIXから外される銘柄は、投資信託でも買われなくなってしまうので、今後外される可能性が高い銘柄を個別で持っている方は、影響が大きい可能性があります。
◆注意点2 株主優待の廃止が増える
もうひとつの注意点は、株主優待の廃止が増えるという点です。
今までは一部上場基準には「株主数が2200人以上いなくてはいけない」というルールがあったのですが、プライム市場では800人で良くなります。
そうすると、今まで株主を増やす為に株主優待を出していた企業の中には、優待を廃止したり、内容を変更したりする企業も増える可能性があります。株主の数を増やす必要がないのであれば、優待よりは例えば配当で還元するなど、投資の魅力をますものに変えていく可能性がありますが、優待を期待して買っていた人は、「あれ?優待がなくなってしまった」と言うことになるかもれません。
今までの株主優待がそのまま続くとは限らないため、チェックされることをお勧めします。
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(2022年1月13日時点の情報をもとに作成)
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