時間の分散「ドル・コスト平均法」の魅力
◆「ドル・コスト平均法」とは?
投資の基本は、安く買って高く売ることですが、高い安いはあとで振り返ってはじめてわかるものですよね。そこで、タイミングを予想して売買するのではなく、定期的に『定額』積み立てる手法を「ドル・コスト平均法」といいます。
「ドル・コスト平均法」では、購入する金額は一定なので、投資信託(ファンド)の基準価格が安いときには購入口数が増え、高いときには減ります。例えば、「毎月1万円Aファンドを購入」と設定し、その後Aファンドの2月の基準価格が8,000円だと仮定すると、購入口数は12,500口。4月の基準価格が12,000円と仮定すると、購入口数は8,333口。基準価格が下がれば、それだけ購入できる口数が増加します。つまり買付時期をずらすことにより購入価格を平準化する効果があります。仮に4月に一括で購入した場合に比べると安く購入できたことになります。
◆時間の分散でリスク軽減
価格変動リスクを軽減させる効果として、「資産クラスの分散」「地域の分散」が取り上げられることが多いですよね。皆さんも耳にされたことはあるのではないでしょうか。株式や債券など、資産クラスを分けて投資をする。国内や海外へ地域を分散させることでリスクを減らす効果があります。
さらに「ドル・コスト平均法」の手法を採用することにより、「時間の分散」を追加することができます。まとまった資金で一括購入した直後に、○○ショックが起こって急落してしまい、塩漬け状態…。というリスクにも備えることが可能です。
出典:金融庁 投資の基本
◆「ドル・コスト平均法」は心理的にも効果あり!?
人間は利益を追求するよりも損失を回避したい傾向があるようです。例えば、Aファンドの基準価格が下がってくると「まだ下がるかもしれない」と買付の機会を失い、基準価格が上がってくると「この前買っておけばよかった」とまた買付の機会を逃し、結果、何もせずに終わってしまうこともあるのではないでしょうか。定額積立の「ドル・コスト平均法」は、そういった感情に流されることなく、機械的に積立を粛々と実行することができる投資手法です。投資を始めるタイミングを逃してしまっている方や、感情に左右されずに継続して長期投資を行いたい方にはおすすめの投資手法です。
◆まとめ
積立開始後、投資対象の価格が下がることなく右肩上がりに上昇し続けた場合、積立ではなく最初にまとめて購入したほうが利益は大きくなります。「ドル・コスト平均法」は万能ではありませんが、価格変動リスクを抑えつつ、長期的な資産形成を目指している人におすすめです。もちろん、投資対象は成長が見込めることが必要条件です。
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