大統領選と株価と為替。その不思議な関係とは?
大統領選で株価が上がるはアノマリー
「明確な根拠があるわけではなく、理論的にも説明がつかないが、頻繁に起こる経験則・事象」のことを「アノマリー」といいます。最も有名なものの1つが米大統領選にまつわるアノマリーで、「選挙の前年は株価が上がる」と「選挙の年はドル高になる」という現象です。
実際はどうだったの?
では実際にはどうだったのでしょうか。
<傾向1:株価堅調>
戦後18回大統領選挙があり、大統領選の前年にNYダウが下落したのは、2015年の1回だけでした。今回も、大統領選の前年にあたる2019年のNYダウは約20%の上昇率だったので、アノマリー通りの結果になりました。大統領選に標準を合わせて景気刺激策を打ち出すことから、将来の好景気を先取りする形で株価が上昇するというのが、そのカラクリです。
<傾向2:ドル高>
ドル円相場で見てみると、1984年以降で大統領選挙が行われた年は、9回中6回がドル高傾向でした。直近でいうと2008年がドル安でしたが、リーマンショックの年であったことを考えると例外的といって良いでしょう。為替相場もアノマリーがほぼ当てはまっています。選挙の年は、景気浮上策を狙った経済政策をとるため経済成長率が高くなる傾向があります。その結果、ドル高を誘引することや、選挙終了後は心理的にドル買い安心感が広がり、大統領選の年とその翌年はドル高になることが多いといわれています。
大統領選の年は?
さて、2020年の大統領選挙は11月3日でした。
共和党のトランプ氏の続投か、民主党のバイデン氏か。日本経済だけでなく世界経済に大きな影響を与えるビッグイベントに世界中が注目していました。結果は民主党のバイデン氏が当選となりました。ちなみに、大統領選の年のアノマリーは、「株安・ドル高」です。2020年の大統領選後は、株高・ドル安傾向でした。コロナショックの反動も大きく、2020年も例外的な要因の影響が大きかったと言えるかもしれません。
まとめ
このように、説明がつかない現象が頻繁に起こるアノマリーを知っておくのは、私たちの投資の視点を大きく広げてくれます。ただしアノマリーは、あくまでひとつの見方。割高でないものに長期投資をしていく基本姿勢は忘れないようにしましょうね!
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