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FP直伝 適正な住宅購入予算の算出法

FP直伝 適正な住宅購入予算の算出法
1. 適正な住宅購入費がわかる方法 ライフプラン・シミュレーション
2. 簡単計算!無理のないマイホーム費用の算出方法
3. 現在の住宅費(家賃)にプラスオンできる金額を確認
4. 「住宅購入費=住宅ローンを組んでよい金額」ではありません
5. 住宅購入で発生する住宅ローン以外のコストとは?
5.1. ①固定資産税
5.2. ②管理費と修繕積立金
6. 住宅ローンを組んでもよい金額の算出方法
7. 正しい計算で、無理のない住宅ローンを組みましょう
8. 住宅ローンを組んでもよい金額の算出方法(数字は例です)
ファイナンシャル・プランナー ゆりもと ひろみ
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適正な住宅購入費がわかる方法 ライフプラン・シミュレーション

 みなさまが家を購入するとき、一体いくらぐらいの物件を選べばよいか、どのように計算すればよいかご存じですか?「このくらいの金額なら買えるかな」と、何となくの予算で探し始めると、次第によりよい物件に目が行ってしまう。結果、価格が当初予算の500万円オーバー、1,000万円オーバーと、どんどん上がっていってしまい、どう判断したらよいか分からなくなってしまう、というお話もよく聞きます。

 住宅価格の適正額は、お子さまの人数や、ご夫婦の年齢によっても変わってくるため、「収入がいくらであればこの金額までは買っても大丈夫」という、一律の物差しはありません。住宅は、簡単には買い直すことができませんから、迷いのない決断をしたいものです。また万が一にも、購入後に住宅ローンが払えなくて家を手放すということは避けたいものです。

 住宅の適正価格に対する迷いを解決する方法としては、「ライフプラン・シミュレーション」という、100歳までのキャッシュフローを作成するのがお勧めです。ライフプランを作成すると、「住宅購入費を含む住宅コストはここまでに抑えたほうがよい」「物件の値段はここまでにしておかないと、後々ひっ迫して教育費や老後資金が貯められなくなる」ということが分かり、買ってもよい住宅価格の目安が明確になります。

簡単計算!無理のないマイホーム費用の算出方法

 住宅は人生最大の高額な買い物の一つですから、できれば、専門のFPに依頼して精度の高いライフプラン・シミュレーションを作成することをお勧めします。ただ、きちんと相談してシミュレーションをしてもらうのは大変だと思われる方や、まずは概算が知りたいという方のために、住宅購入費に充ててもよい金額の目安を自分で計算できる簡単な方法をご紹介します。

現在の住宅費(家賃)にプラスオンできる金額を確認

 これから住宅を購入する方の多くは、現在、家賃を払っていらっしゃると思います。毎月家賃を払えているということは、家賃分の支出は今後も続けて大丈夫なはずです。そこに、住宅購入のため更にいくらプラスできるか考えます。「夢のマイホームのためならば、毎月これくらいは支出が増えてもいい」という金額です。この「現在の家賃」と、「住宅取得のためにプラスして出す金額」を合計した額でならば、住宅購入に踏み切っても、今後無理なく生活ができるということになります。

例として計算してみます。

現在家賃が10万円、「夢のマイホームのためならば、最大あと5万円は頑張ります」という人であれば、10万円+5万円=毎月15万円の予算になります。これを一年間に直しますと、15万円×12か月=年間180万円の予算です。

「住宅購入費=住宅ローンを組んでよい金額」ではありません

 支出可能な年間の住宅購入予算が見えてきましたが、このときに注意しなければならないことがあります。実は、年間180万円の住宅購入費が計算で出たからといって、年額180万円分のローンを組んでいいわけではありません。「住宅購入費に使ってよい金額=ローンを組んでよい金額」ではないからです。住宅ローン以外にかかってくるコストを考えなくてはなりません。

住宅購入で発生する住宅ローン以外のコストとは?

①固定資産税

 ローン以外にかかるコストの一つが、固定資産税です。賃貸のときには発生しませんが、住宅を購入すると固定資産税の支払いが始まります。固定資産税の目安ですが、東京都内で4,000万円の物件を購入した場合、年間15万円前後の固定資産税がかかるのが一般的です。

②管理費と修繕積立金

 ローン以外のコストの二つ目は、マンション購入の場合に、管理費と修繕積立金があります。管理費とは、快適で安全な生活をするため、マンション共用部分の管理に使われる費用です。修繕積立金とは、建物の診断や修繕工事を行うために充てられる費用のことで、 マンションの区分所有者が毎月決まった金額を出し、将来的な大規模工事に備えて積み立てをします。この二つを合わせると、一般的に、少なくとも2万5千円くらいの支払いが毎月発生します。年間約30万円です。

 つまり、住宅購入に伴って、固定資産税15万円と管理費・修繕積立金の30万円で、年間45万円の支払いが発生するのです。

住宅ローンを組んでもよい金額の算出方法

 住宅ローンを組むべき金額は、先ほどの年間の住居費予算180万円から、年間コスト45万円のコストを引いた金額から考えます。

180万円-45万円=135万円
これを月々に直すと
135万円÷12か月=11万2,500円
となります。

 よって、住宅ローンを組んでよいのは、月々11万円くらいまでだということが分かりました。もし、毎月15万円の住宅ローンを組んでしまうと、後々支払いが他にも出てきて、想定よりも家計が大変だという状況になります。無理をし過ぎた場合、返済がどうにも回らなくなり、家を売らなければならなくなった気の毒な例もありますので、最低限、このような住宅ローンの適正額計算はしてから住宅購入をしましょう。

正しい計算で、無理のない住宅ローンを組みましょう

 「住宅購入費に使える金額=住宅ローンを組んでよい金額」ではありません。先ほど述べた固定資産税や管理費・修繕積立金に加え、今回の計算には含めませんでしたが、マンションの駐車場や駐輪場などの固定費も、「必ず出ていく金額」として、住宅購入費に使う金額から引いてローンの計算をする必要があります。

 他にも、火災保険料が高くなることもありますし、賃貸時代より広い部屋を選ぶことが多いため、光熱費の支払いが増えることもあります。ですから、「家賃並みのローンでマイホームが買えます!」という宣伝文句には気を付けなくてはいけません。住宅ローン以外の支出があることをきちんと計算して、無理のない住宅ローンを組むことができれば、新しい家での素敵な暮らしをスムーズに始めることができるでしょう。

住宅ローンを組んでもよい金額の算出方法(数字は例です)

現在の家賃(住居コスト)   月10万円
今後住居費に上乗せできる金額 月5万円
年間住居にかけられる最大金額 (10+5)×12ヶ月=180万円

住宅ローン以外の住居費コスト
固定資産税 年間15万円
管理費・修繕積立金 月2.5万円→年間30万円
合計 15+30=45万円

(年間住居にかけられる最大金額)-(住宅ローン以外の住居費コスト)=ローン返済額上限
180-45=135万円
135万円÷12ヶ月=11.25万円≒11万円
⇒ローン返済は月々約11万円までに抑える必要があります。

※本コラムは共済・保険ガイドサイト<お金と仕事と共済>にて執筆したコラムを転載しております。

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