教育資金を貯めたい人へ!学資保険とそれ以外の貯蓄型保険
学資保険の仕組み
学資保険は「保険」であるので、貯金の機能だけでなくて、保障の機能もあります。保障があるというのは、万が一、被保険者が亡くなったときにも保険金がもらえるということです。
実は、学資保険の場合は、他の保険と違い、親と子どもがセットで保険に入るようになるので、被保険者が2人になります。そのため、保険期間中に親が亡くなる場合と、子どもが亡くなる場合、二通りが考えられます。
以下、「お子様が0歳のときに、18歳満期で200万円の保険金が受け取れる学資保険に加入した場合」で考えてみます。
《被保険者の親が亡くなった場合》
以後の保険料の払い込みはなくなり、満期の時期(子ども18歳等)に保険金が受け取れる仕組みです。
《子どもが18歳より前に亡くなった場合》
その時点で、それまでに払い込んだ保険料がほぼ全額戻ってきて、保険が終了となります。
養老保険の仕組み
学資保険以外の貯蓄タイプの保険としては、養老保険というものがあります。養老保険は「将来、今より老いた自分を養う」という意味の名前で、保険料を払う形で積みたてを続けると、自分で設定した15年後や20年後の満期に保険金が受け取れます。また万が一、被保険者が満期までに亡くなった場合は、満期金と同額の死亡保険金をその時点で受け取れる、という死亡保障付きの貯蓄保険です。
学資保険のよいところ
1.貯蓄に名前を付けられる
FPから見た学資保険の一番のよいところは、「貯蓄に名前を付けることができる」点です。お子様を被保険者とする保険に入ると、そのお子様の学資として積み立てていけるため、教育資金を明確に他の貯蓄を区別して増やしていくことができます。また、お子様が複数いらっしゃる場合でも、「この学資保険は長男のもの」「こちらは長女のもの」と貯蓄の目的と名前をはっきり区別できることがとてもよい点です。
2.保障がある
また、学資保険は「保険」ですから、貯蓄機能だけではなく保障があります。被保険者になる親が亡くなったときに、その後保険料を払わなくても、子どもが18歳や満期のときに約束していたお金が入って来ます。注意点としては、他の死亡保険とは異なり、親が亡くなった時点では保険金を受け取れません。通常の死亡保険でしたら、被保険者が亡くなった時点で保険金を受け取れますが、学資保険の場合は、満期(子どもが18歳になる年など)までは受け取れません。親が亡くなったそのときに保険金が欲しいということであれば、学資保険とは別途親の死亡保険に加入しておく必要があります。
他の貯蓄性保険より利率がよいケースも
同じく満期で保険金が受け取れる保険商品としては、養老保険というものがあります。一般的には、養老保険のほうが割高になります。理由は、養老保険は加入1年後に被保険者が亡くなっても、その時点で満期金が受け取れます。一方、学資保険は被保険者である親が1年後に亡くなっても、もう一人の被保険者である子どもが18歳になる時点まで受け取れません。その分、保険会社から見ると、支払う時期を遅らせることができるため、少し割安になっている計算です。日本では長らく低金利が続いておりますので、大きな差はないですが、学資保険のほうが多少、利回りはよく、お金を少し増やしやすいようです。
貯蓄性保険に加入するときに注意したいこと
学資保険や養老保険に貯蓄目的で加入する際に注意すべきことは、「払込保険料の総額が満期保険金額を上回っていないか」ということです。昨今低金利が続いているため、保険商品によっては、学資保険や養老保険であっても、払う保険料の総額よりも受け取れる満期保険金が少なくなってしまうものもあります。例えば、養老保険で毎月1万円の保険料で18年積み立てていくと合計216万円の保険料を支払うことになります。一方、満期保険金が200万円であるとすると、保険機能のためのコストで貯蓄が目減りしてしまう、という風にも考えられます。払込保険料に対して、満期保険金が、少なくとも100%以上は戻ってくるものかどうかを確認してから入ることをおすすめします。100%を割っている場合や、期待ほど増えないなと思う場合は、保障は掛け捨てで必要分を確保し、他の貯蓄や運用でしっかり貯めたり増やしたりする、という方法もおすすめです。
※本コラムは共済・保険ガイドサイト<お金と仕事と共済>にて執筆したコラムを転載しております。
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