資産運用用語集
ら行
- ライフサイクル型ファンド
特定の種類の資産に偏ることなく、複数の種類の資産や市場へバランス良く投資する「バランス型ファンド」の一種で、投資家のライフサイクルに合わせて、資産配分を変えられる投資信託のこと。通常、購入者が若いうちは運用期間を長く見込めるため、リスクは高くても長期的には高いリターンが期待できる株式等の組入比率を高めた積極運用を行う。一方で、年齢が上がるとともに残りの運用期間が短くなるため、債券等の組入比率を増やした安定運用に資産配分を切り換えていく。ライフサイクル型ファンドの多くは、複数の投資信託を投資対象とする「ファンド・オブ・ファンズ」の形態を取っている。
- LIBOR(ライボー:ロンドン銀行間取引金利 London Interbank Offered Rateの略)
インターコンチネンタル取引所(ICE)が計算し公表するロンドン市場での銀行間平均取引金利のこと。対象通貨は、英ポンド、米ドル、ユーロ、日本円、スイスフランの5つ。翌日物から12ヶ月物などの期間ごとの平均金利が公表されている。金融機関がユーロ市場で資金調達をする際の基準金利として利用されており、特に3ヶ月物と6ヶ月物は、短期金利の指標としても利用されている。
また、LIBORは、さまざまな証券の理論価格を求める際のリスクフリー・レート(無リスク資産利回り)としても利用されることがある。
- ラップ口座
証券会社や信託銀行などが投資家から資金を預かり、運用から管理まですべてを包括的に行う資産運用サービスのことをいう。ポートフォリオの資産配分構築や比率調整に関するアドバイス、運用会社・投資信託などの紹介、投資一任契約に基づいた資産配分構築や株式・投資信託などの売買判断の一任、売買の注文執行、定期的な報告などのサービスが、契約によって定められたメニューの範囲内で提供される。複数の資産へ分散投資することが一般的で、投資家自身の投資目的や投資期間などに合わせたポートフォリオ運用を行う。ラップ口座の「ラップ」とは英語のwrap(「包む」という意味)のこと。手数料は資産残高に対して定期的に一定料率が課される体系や成功報酬によることが多い。投資信託を中心に投資するラップ口座のことを特に「ファンドラップ」という。
- リップル
正式な名称としてのリップルは、アメリカのRipple Inc社によって開発された金融商品の決済・送金システムのことを指す。リップルは金融商品間の取引に仲介通貨として「XRP」という仮想通貨を導入して、スムーズな取引の実現を企図して開発された。
「XRP」は仲介用としてだけではなく、取引所で購入して保有することもできるため、他の仮想通貨と同様に資産運用の手段としても利用されている。そのため仮想通貨として「XRP」のことをリップルと呼んだりリップルコインと呼んだりすることもある。
リップルは他の仮想通貨のようにブロックチェーンの仕組みを取り入れておらず、リップルネットワーク基盤上に借用証書に似たデータを管理することにより、ネットワーク参加者間での取引を可能にしている。従って、ネットワークがハッキング等の攻撃を受けることで保有する「XRP」が失われる可能性があるなどのリスクが存在する。
- リバランス
複数の資産に分散投資するポートフォリオ運用において、相場が変動する中で資産配分の比率を計画通りに保つために、保有資産を調整することをいう。例えば、国内株式と海外債券の配分比率がそれぞれ50%とするポートフォリオにおいて、1年後に国内株式が20%上昇し、海外債券が20%下落したとすると、その時点での配分比率は国内株式60%、海外債券40%に変化してしまう。そこで国内株式を10%分売却し、海外債券を10%分追加することで当初の配分比率に戻すことができる。
このように、リバランスとは当初の配分比率に戻す調整のことだが、当初の配分比率自体を変更することは、「リアロケーション」という。
- るいとう(株式累積投資)
毎月定額で株式を購入する投資方法のこと。1銘柄につき月々1万円以上1,000円単位の一定額(上限100万円未満)で同一株を買い付けることができる。通常の単元株取引では、多額の資金が必要になるような銘柄でも、るいとうを利用すれば、少額の資金で株式を購入することができる。また、定期的に定額で株式を買い続けることにより、株価が高いときは少しの株数だけ、安いときはたくさんの株数を購入することができるので、ドル・コスト平均法による平均買付コストを下げる効果が期待できる。対象銘柄は、取扱証券会社が取扱う銘柄の中から選択できる。
購入者の持分が単元株式数未満の株式の名義人は、取扱証券会社の株式累積投資口名義となり、株主としての権利の行使は取扱証券会社が行う。購入者は、議決権の行使について取扱証券会社に対して指図することはできない。ただし、配当金や株式分割等により取得する株式は、持分株数に応じて配分される。配当金等の金銭は自動的に再投資される。
購入者の持分が単元株式数に達したときには、単元株が分割されて購入者の名義となり、議決権などの株主としての権利を購入者自らが行使できるようになる。
- REIT(不動産投資信託 Real Estate Investment Trustの略)
不動産に投資する投資信託のこと。証券取引所に上場しているものもあり、上場REITは、上場株式と同様に証券取引所で売買することができる。REITは、投資家から集めた資金で不動産を購入・管理し、その不動産の賃貸収入や売買益を分配原資としている。対象となる不動産は、オフィスビルやショッピングセンター、居住用マンションなどさまざま。REITは投資法人によって運営され、収益の90%超を分配金に回すことが法律により義務付けられている。2014年1月からスタートしたNISA(少額投資非課税制度)の投資対象にもなっている。
- レバレッジ
借り入れを利用することなどで、自己資金に対するリターン(収益)率を高める効果が期待できる取引のことをいう。例えば、委託保証金率30%の信用取引では、売買代金の30%の委託保証金を差し入れることで最大3.3倍の取引を行うことができる。委託保証金を担保にレバレッジが可能な金融商品としては、信用取引や株価指数先物取引などがある。レバレッジの効果により大きなリターンが狙える半面、リスクも大きくなる。
- ローソク足
ある期間の始値、終値、高値、安値の4つの価格をひとつの線で表したチャートのこと。日本で最もよく使われるチャートで、株や為替などさまざまな投資商品で用いられている。
ひとつのローソク足の期間が1日、1週間、1カ月のものをそれぞれ、日足(ひあし)、週足(しゅうあし)、月足(つきあし)と呼ぶ。始値から終値までが値上がりだと白抜き(陽線)の柱、値下がりだと黒塗り(陰線)の柱で表し、高値と安値を線(ヒゲと呼ぶ)で表す。ローソクの柱の長さや、線(ヒゲ)の長さが、長ければ長いほど、価格が大きく動いたことが視覚的に判断できる。時系列でローソク足を並べたチャートが株価の予測などに活用されている。
- ロールオーバー
先物取引やオプション取引において、保有しているポジションを当限の取引最終日までにいったん決済し、次の期限(次限月)以降のポジションを新たに建てることをいう。これは、当限のポジションが最終決済日をもって消滅してしまうことを回避するため、期先(次限月)以降のポジションに乗り換えることを指し、これを行うことにより、投資家はポジションを維持することができる。
一般にロールオーバーは、最終決済日の数週間前から徐々に進行し、その進捗状況は期近物と期先物の建玉の推移を見ることで確認できる。ロールオーバーが順調に進まず、建玉が高水準のままだと、SQ(特別清算指数:取引の最終日までに反対売買で決済されなかった建玉が強制的に決済される価格)算出日に向けて、仕掛け的な短期売買が膨らむなど、相場を不安定にする要因になりやすい。
- ロスカット
保有しているポジションに一定以上の評価損が生じた場合に、反対売買してポジションを手仕舞い、損失を確定すること。損切りともいう。そのまま保有し続けた場合、さらに損失が拡大する可能性を回避するため、損失額を確定させることで、それ以上損失が膨らまないようにすることができる。