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その値段は高い?それとも安い?判断するのはあなたの感情だった!?

その値段は高い?それとも安い?判断するのはあなたの感情だった!?

私たちは買い物をするとき、「無駄遣いはやめよう」「損しないようにしよう」と考えるものです。けれども、そこへ「感情」が入ってしまうと、判断がおかしくなってしまうことがあります。時に感情は、お金の価値までも変えてしまうことがあるようです。もしかしたら、あなたも日常生活の中で、感情によってお金の価値を頻繁に変化させているかもしれません。「そんなことはない」とお思いのあなた、感情でお金の価値が変わる瞬間を体感してみませんか。そして、お金と向き合うときの考え方をしっかりと心得ておきましょう。

田中 功都子

「あなたならどうする?」次の質問に答えてみてください

【質問1】もうすぐ子どもの誕生日。子どもに頼まれておもちゃを買いに行きました。買おうとしていたおもちゃが3,000円で売られています。買おうとしたとき、こんな声が聞こえてきました。「ここから歩いて10分のお店では2,000円で売っているよ!」。さてあなたはどうしますか?安いほうのお店にいきますか?

【質問2】あなたは前から買い替えたいと思っていたパソコンを買いに行きました。欲しい機種が195,000円で売られています。ボーナスも出たし買うことにしましたが、一緒に来ていた友人に「ここから歩いて10分のお店では194,000円で売っているよ」と言われました。さてあなたどうしますか?安いほうのお店に行きますか?

なぜ感情がお金の価値を変えてしまうの?

多くの場合、【質問1】では安いほうの店へ行き、【質問2】では行かないと答えます。どうしてでしょう?得をするのは同じ1,000円です。【質問1】では1,000円も安くなる!と思っていても【質問2】ではたった1,000円か…になる。1,000円の価値を時には過大に評価し、その逆もしてしまうのが私たち人間の感情なのです。

では感情でお金の価値を変えしまったのはなぜでしょう?それは、3,000円・195,000円と1,000円を相対的に比べてしまったからです。相対的に比べると感情が邪魔をし、お金の価値を変えてしまいます。この質問では、おもちゃやパソコンの値段に関係なく、他のお店へ行くための労力が1,000円に見合っているかを考えるべきだったのです。

このように、ある数値を基準(アンカー)とし、その数値がその後の判断に影響を与えることをアンカリング効果といいます。今年ノーベル賞を受賞した行動経済学で用いられる用語です。このアンカリング効果がよく使われているのが、アウトレットショップ。タグには元値と現在の値段が書いてあり、お客さんに「安い!」と思わせます。「安い!」と思ってレジに直行―!なんてことをしたらお店の思うツボです。まずは元値と相対的に比べるクセをやめ、買おうとしている物に対して本当にそれだけのお金を出していいかをしっかり見極めることが大切です。

特に大きな買い物のときは冷静になろう

大人になると大きな買い物をすることが増えてきます。自動車や住宅、子どもの学費などです。これから結婚をする人は結婚式や新婚旅行が初めての大きな出費になるかもしれません。そんなときはくれぐれも要注意を。

例えば自動車。266万円の車にちょっとオプションを付けて268万円になりました。266万円が268万円になったところで大して変わらないか…なんて感じませんか?? 266万円がアンカーとなり、2万円が小さく見えるのです。ですが、普段の生活の中で突然2万円の出費が発生したら大きな痛手になるはずです。自動車の購入費でも、普段の生活費でも2万円は2万円であり価値は変わりません。ここではアンカーになっている金額、つまり266万円という金額を一旦忘れましょう。そして追加で支払うことになる2万円と向き合うのです。「その2万円は本当に支払う価値があるのか?」「そこで支払うのではなくて、もっと有意義な使い方や必要なことに使えるのではないか?」と真剣に悩みましょう。2万円を活きた出費とするか、ドブに捨てることになるかはあなたの判断次第です。店員さんのセールストークや感情に流されず、お金としっかり向き合いましょう!

このようにアンカリング効果は日常のどこにでもあり、誰もが経験していることです。それは私たちの感情にいつのまにか働きかけ、お金の価値を無意識に変えてしまいます。感情でお金の価値を変えてしまうなんて、とっても不合理ですよね。不合理な判断をしてしまう感情に負けないためには、アンカーとなる数値と相対的に比べるのをやめる。これがきちんとお金と向き合うための心得です。 

これからバーゲンの時期を迎えたとき、相対性の連鎖を断ち切れば、本当は必要でもないのに「安い!買うべき!」と自分に暗示をかけて、衝動買いすることをきっと阻止できるでしょう!


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