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後悔しやすいあなたの買い物習慣に隠された本当の原因とは!?

後悔しやすいあなたの買い物習慣に隠された本当の原因とは!?

「買い物をしてストレス解消!」
「店員さんに薦められると必要のないものまで買ってしまう」
「“ランキング1位”がついているとついつい買ってしまう」
こんな経験のある方は要注意。買い物をしたら、必ずと言っていいほど後悔してしまう人は、何気なくやっている買い物習慣が原因かもしれません。なぜなら、それは買い物をする際、“あるもの”に影響されてしまうから。買い物をして後悔したり、ムダなお金を使ってしまったりしないためにも、そうなる本当の原因を知って、次からの買い物に役立てましょう。

波多野 知子

買い物でストレスを発散できる本当の理由とは?

ストレスがたまるとついつい買いすぎてしまう。買ったら満足してしまい、使用していないものが家の中にゴロゴロしている…こんな経験はありませんか?

疲れ果てての帰宅途中、ふと見たお店の中に心ときめく洋服が!

こんな時、つい「私のために売っている!!」と、ときめいて買いたくなるのですが、数日後には「なんでこんなのを買ったのかしら?」と、思うことも。特に疲れているときはときめきに弱くなりますし、買うと気分がスッキリするのでやめられない人も多いのではないでしょうか。

このときめき、実は脳の中に分泌される「ドーパミン」という物質の仕業なのです。

ドーパミンは中枢神経系に存在する神経伝達物質です。快楽ホルモンとも呼ばれ、脳の「報酬系」といわれる神経回路(A10神経群)を刺激して、快感や幸福感を与えます。これは生存に必要なことを学習したときのご褒美として備わっている“脳のクセ”なのです。欲しいものが買えた時、この「報酬系」が刺激され「幸せだぁ」と思うのですが、残念ながら長くは続きません。買ったそばからあっという間に消えていきます。

最初に生じた快感が大きければ大きいほど、快感を失ったときの喪失感は大きくなります。すると新たな快感を求めて「疲れている→買い物する→スッキリ!」を繰り返してしまうのです。これがエスカレートすると、買い物依存症になってしまうわけです。

「買い物をするとスッキリするから、つい買っちゃう」そんな傾向がある人は、まず欲しいものを目にした時の「ときめき」を自覚することから始めましょう。そして「ときめき」にとらわれていると感じた場合は、出来るだけ時間をおきましょう。この時最低でも15分間、できれば3日間、時間をおいてみましょう。3日間経ってもやっぱり欲しければ購入しても良い、など自分のルールを決めておくと良いですね。ルールに従って行動することによりムダ使いが減ってくるはずです。

おすすめされたら買ってしまう自分を克服しよう!

「今日は見るだけ」のつもりで見ていた洋服を店員さんに薦められて試着までしてしまい、なんとなく買ってしまった…という経験はありませんか?

わざわざバックヤードから持ってきてもらったりしたら、「買わないと悪いかも…」と思ってしまいませんか?

これは「気が弱いから」「人が良いから」ということだけが原因とはいえません。

実はこれも脳のクセの1つなのです。専門用語で「返報性の原理」と呼ばれています。

私たちは人から好意や譲歩を受けると「何かお返しをしなければ」という心理になります。「親切にしてもらったので何かお返ししなくては」と脳が勝手に判断してしまうのです。もし、この時の買い物が「本当に欲しいもの」でしたら問題はないのですが、「それほど欲しくないもの」だった場合にはムダ使いになってしまいますので注意が必要です。

このような傾向がある人は、「一度相手に同意してしまうと、次の依頼を断りづらくなる」ということを覚えておいてください。そして、相手に何か少しでも親切にしてもらった場合、「お返し」をしたくなってしまうものだということも自覚しておきましょう。この2つの“脳のクセ”を知っておくことで「本当に欲しいもの」以外への出費を抑えることが出来ます。

お店で店員さんが話しかけてきたら、「今日は見るだけなのでひとりで大丈夫です」と自分の意志を伝えましょう。「ちょっと感じ悪いかな?」と、気にしてはいけません。この一言で冷静に買い物ができるようになるのですから。日々のちょっとした工夫で、ムダな買い物が減ります。節約できた分は未来の自分のご褒美として、貯金しておくといいですね。

ランキング1位というインパクトに騙されないで!

「〇〇〇ランキング1位」や「女優の〇〇さん愛用」などの言葉が添えてあるとつい買いたくなってしまう…そういう経験はありませんか?

「ランキング1位」「人気NO.1」という文字だけをみて中身をしっかりと吟味しないまま買ってしまうことってありますよね。これは「ハロー効果」と「バンドワゴン効果」という“脳のクセ”によって引き起こされているものです。

「ハロー効果」とは社会心理学の用語で、ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のこと。「ランキング1位」「人気NO.1」という言葉のインパクトによって、本当に考えるべき「自分にとって必要なのか」などの肝心な部分への意識が薄れ、その商品の価値を正確に分析できなくなってしまいます。

「バンドワゴン効果」とは、行動心理学の用語で、ある製品や事柄に対し、大勢の人がそれを支持している場合、その製品や事柄への支持がよりいっそう高くなるといった現象のことをいいます。簡単に言うと「みんなが使っているなら良いものに決まっている」と思い込んでしまう脳のクセです。大勢の人が支持していても、自分にとって良いものであるかどうかは別問題ですよね。

このタイプは、「もともと欲しかったものか?」など、お金を支払う前にもう一度ゆっくり考えてみるといいでしょう。また、「人気の高いもの=価値が高い」という思い込みを捨てましょう。人気の高いものが必ずしも自分の欲しいものと合致するとは限らない、ということをしっかりと覚えておきましょう。

今回は“脳のクセ”からくる生活習慣の見直しをご紹介しました。近年、脳科学や心理学の進歩により脳には様々な“クセ”があるということがわかってきています。

“脳のクセ”を知ることで、なぜその行動をしてしまうのかを理解することができます。そして、“脳のクセ”を理解することで論理的に「なぜそのように思ったのか?」「このときめきは本物か?」など客観的に自分自身の心を見ることが出来るようになります。

“脳のクセ”を理解してムダ使いを減らしていきましょう!

《参考資料》

  • 『そのお金のムダづかい、やめられます』 脳神経外科医 菅原道仁 著 文響社
  • 『今日から使える行動心理学』 齊藤 勇 著 株式会社ナツメ社
  • ビジネス心理学 https://biz-shinri.com/
  • 神経科学者もやっている精神科医のblog http://neurophys11.hatenablog.com/

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