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教育費のピンチを救うお役立ち制度~大学編~

教育費のピンチを救うお役立ち制度~大学編~

文部科学省の調査によると、最近の高校生は約8割が大学や専門学校への進学を希望しているという結果が出ています。ご両親も、子どもが望む進路を歩ませてあげたいと願っていることでしょう。しかし、大学や専門学校でかかる費用は、高校までに比べて格段に多くなります。そのため、思うように進学費用を貯めることができない場合もあるかもしれませんね。
 そこで、教育費がピンチになったときに利用できる奨学金制度にはどのようなものがあるか、今回は大学生向けの制度を中心にご案内します。

ファイナンシャル・プランナー 中垣 香代子

返済がいらない『給付型』

奨学金は大きく分けて、返済の必要がない『給付型』と返済の必要がある『貸与型』があります。はじめに、返済の必要のない『給付型』の奨学金のうち、大学生向けにはどのようなものがあるか、例を挙げてみましょう。

◇自治体の奨学金

「居住・成績・人物・所得」などの支給条件が課されていることが多く、毎月給付されるものと、入学金や一時金などまとまった金額を給付されるものがあります。自治体によって、金額や支給要件などが異なります。

 ◇民間や企業の奨学金

消防活動に従事・協力したために死亡・後遺障害で働けない家庭の子向け、介護福祉士を目指す子向け、音楽の道を目指す子向けのものなどがあります。

 返済の必要がある『貸与型』

 それでは返済の必要がある『貸与型』の奨学金にはどのようなものがあるのでしょうか。

◇日本学生支援機構の奨学金

 もしかしたら、高校生のお子さんがいる世代の方にとっては「日本育英会」の名前の方がしっくりくるかも知れませんね。日本育英会の奨学金事業のうち大学生向けのものは、平成16年に日本学生支援機構に引き継がれました。日本学生支援機構の奨学金には、無利息の「第一種奨学金」と利息付の「第二種奨学金」があり、成績と経済状況が要件となっています。また、「第一種奨学金」には「所得連動型無利子奨学金制度」というものがあり、学生本人が大学を卒業した後、一定の収入を得るまでの間は、返還を猶予してくれます。入学後に申し込む奨学金のほか、高校在学中に予約できる制度もあり、進学後のお金の心配が軽減されます。手続きは高校を通して行われるので、高校でもらえる案内を確認しておきましょう。

 

◇自治体の奨学金

「居住・所得」などの支給条件が課されていることがあります。

◇民間の奨学金

保護者が交通事故で死亡・後遺障害により働けない家庭の子向け、保護者が病気や災害(交通事故を除く)・自死により死亡・著しい後遺障害により働けない家庭の子向け、保護者が漁業従事中の事故により死亡・行方不明になられた家庭の子向け、医学・薬学・バイオ学・理工学・工学・情報学を学ぶ大学生向けなどがあります。

『貸与型』の奨学金は、『給付型』に比べて、採用人数も多く利用しやすいといえます。しかし、奨学金は親ではなく子が借りるものなので、学生生活を終えたときに借金を背負って社会へ出ていくことになります。そのようなことを意識しながら、本当に必要な金額だけを借り入れるようにしましょう。

奨学金の中には、他の奨学金との併給を認めないものが多くあります。たとえば、「自治体から奨学金の給付を受けているため、他からも貸与を受けようと思っても受けられない」というようなことが起こり得るので注意が必要です。

 

大学独自の奨学金は要チェック

奨学金には、一般的には次のような制度があります。

◇入試前申請の奨学金

 入試の前の奨学金申請が承認されたうえで入試を受け、合格すると奨学金が受けられます。

◇スカラシップ入試

 「スカラシップ入試」や「給費生入試」という名の奨学金を希望する人向けの試験があり、それに合格することで奨学金が受けられます。

◇入試上位合格者奨学金

 入試で優秀な成績で合格することにより奨学金を受けられます。

奨学金の種類には次のようなものがあります。

・入学金を免除してくれるもの

・授業料(全額・半額)を免除してくれるもの

・授業料相当額を給付してくれるもの

・年間50万円・年間100万円など、一定額を給付してくれるもの

・寮費を免除してくれるもの

 

上記の他にも、大学により様々な奨学金制度があるので、一部をご紹介します。

 ・子どもを育てながら大学に通う学生のための「育児支援奨学金」

 ・検定試験に合格すると受けられる奨学金

 ・特定の国家試験に合格すると受けられる奨学金

 ・兄弟で在学していると授業料の割引がある

 ・卒業後に出身地に戻って農林水産業に従事する学生が受けられる奨学金

 ・教育ローンの利子を補給してくれる制度

 

 気になる大学の制度をホームページで確認されてはいかがでしょうか。また、準備できる予定だったけれど、入学手続きの間際になってお金の工面ができなくなってしまった時は、大学に相談してみましょう。多くの大学では、入学金や授業料の納入を待ってくれる「徴収猶予」という制度があります。1年以内の保護者の死亡や風水災の被害によって納入が困難な場合は、入学金と授業料を免除される制度もあります。  

 教育費の捻出が難しくなってしまったときでも、進学をあきらめてはいけません。学校や自治体、そして私たちファイナンシャル・プランナーに相談してください。きっと方法はあるはずです。経済的な理由で進学をあきらめるお子さんが1人でも減るよう願っています。


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