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子どもが20歳になったら国民年金に加入しよう

子どもが20歳になったら国民年金に加入しよう

我が家の子どもが20歳になる前の月に、日本年金機構から「国民年金資格取得届」が届きました。それを見た子どもがひと言。
「国民年金って加入した方がいいのかな?」
超高齢化社会の今、「私たちが65歳になる頃には年金はもらえないわよね。だから年金には加入しなくてもいいんじゃないかしら」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに先の見えない状況は続いていますが、私は年金制度への加入をおすすめします。今回は年金制度をおすすめする理由を、制度についての解説も交えてご紹介します。

ファイナンシャル・プランナー 中垣 香代子
  • 年金制度に加入するメリットとは?

年金制度への加入をおすすめする理由は、次の4つのメリットがあるからです。

【その1】生涯にわたり支給される!

 公的年金制度では、年金を生涯にわたり受け取ることができます。

 

【その2】年金は「老後」のためだけではない!

「年金」と聞くと老後に受給できる「老齢年金」を頭に浮かべる人も多いと思いますが、実は、年金制度は老後のためのものだけではありません。病気やケガで障害が残ってしまったときに受給できる「障害年金」や、病気やケガで亡くなってしまったときに遺された家族が受給できる「遺族年金」もあるのです。しかし、「老後のお金は自分で準備するから」と、年金制度に加入しなかったり手続せずに保険料を支払わなかったりすると、イザという時に年金を受給することができなくなります。

(*各年金とも受給するための要件があります)

 

【その3】年金保険料の支払いで税金が安くなる!

国民年金の保険料は、社会保険料控除として税金を計算するときに所得金額から差し引きくことができます。生計を同じくする子どもの分も保護者の社会保険料控除に算入できますよ。控除証明書は11月頃に日本年金機構から送付されてきます。保護者が会社員であれば年末調整の際に提出しましょう。会社に控除証明書の提出を忘れてしまったときは確定申告をしましょう。確定申告の時期を過ぎても5年間は還付申告ができますよ。

 

【その4】税金が安くなると保育園の保育料が安くなる!

保育園の保育料は、住民税のうち市(区)町村民税の所得割額で決まるので、年金保険料の支払いによって保育料が安くなる可能性はあります。実は保育料だけでなく、以前は高校無償化と呼ばれていた「高校生の修学支援金制度」で給付される金額も、市(区)町村民税の所得割額で決まっています。住民税のランクが一つ変わると給付金の金額が10万円程度変わってきます。

 

  • 国民年金の保険料はどう支払うの?

 ところで、国民年金の保険料がいくらかご存知ですか?

国民年金の保険料は、平成27年度は1ヶ月あたり15,590円で、毎年見直しされます。(平成28年度の保険料は1ヶ月あたり16,260円になります。)

支払い方法は、口座振替・クレジットカード・金融機関やコンビニの窓口納付のほか、インターネットや携帯電話を利用する方法もあります。また、まとめて前払いすると(最大で年間約8,000円)割引される制度もあります。

保険料は、加入者全員が自分で納付しなければいけないわけではありません。民間会社員や公務員など(第2号被保険者)は加入している厚生年金や共済組合から国民年金に拠出金が支払われているため、厚生年金保険料や共済年金保険料以外の負担金はありません。また、第2号被保険者が扶養している配偶者(第3号被保険者)の保険料も、厚生年金や共済組合が一括して負担しているので、保険料納付の必要はありません。国民年金保険料の納付が必要なのは、自営業者とその家族、学生、無職の人などの第1号被保険者となります。

 

  • 国民年金の保険料が支払えないときに利用できる制度

年金制度には20歳から60歳までの国民全員が加入しなければいけないことは分かりましたが、1ヶ月15,590円の保険料を捻出することが困難なときもあることでしょう。そのようなときに利用できる制度を紹介します。

 

  1. 学生納付特例制度  
対象者 国民年金第1号被保険者で大学や専修学校の学生
所得の基準 本人の所得が次の計算式で算出された金額以下 (世帯主の所得は問わない) 118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額
手続 申請書の提出先 住民票を登録している市(区)町村
必要書類 国民年金手帳 在学証明書(原本)または学生証(コピー可)ほか
承認期間 4月~翌年3月
年金受給資格期間への参入 算入される
年金額への反映 反映されない ただし、10年以内にその期間の保険料を納付すれば、年金額に反映される(追納制度)
特例期間中の障害基礎年金 ・遺族基礎年金の支給 支給される

 

  1. 若年者納付猶予制度
対象者 国民年金第1号被保険者で学生以外の30歳未満の者
所得の基準 本人と配偶者の前年度所得が次の計算式で算出された金額以下(世帯主の所得は問わない) (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
手続 申請書の提出先 住民票を登録している市(区)町村
必要書類 国民年金手帳ほか
承認期間 7月~翌年6月
年金受給資格期間への参入 算入される
年金額への反映 反映されない ただし、10年以内にその期間の保険料を納付すれば、年金額に反映される(追納制度)
特例期間中の障害基礎年金 ・遺族基礎年金の支給 支給される
時限措置 平成17年4月から平成37年6月までの時限措置

 

単なる未納の場合と、きちんと申請をして「学生納付特例制度」「若年者納付猶予制度」を利用している場合とでは、保険料を納付していないことには変わりありませんが、将来の老齢年金受給額に差が出るだけでなく、「障害年金」や「遺族年金」の受給ができなくなるという大きな違いがあります。

 

では、もう一度最初の疑問に戻ります。

「国民年金って加入した方がいいのかな?」

これを読んだ皆さんは、もうお分かりですよね。イザというときに役立つ国民年金、きちんと加入して賢く活用したいですね。

 


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